不動産は縁モノだのタイミングだとよく言われますが、実際はどうなのでしょう。
ある意味では正しい、またある意味ではそのタイミングはある程度コントロールが出来るものでもあります。
不動産屋をやっていると担当しているお客さんがあと一歩で買えないとか
担当している物件が全く反響がないのにある日突然 買付が競合する事なんてのがままあります。
これこそ不動産はタイミングたる所以ではあるのですが、これは裏を返せば不動産購入に至る思考プロセスのパターンでもあるのではないのでしょうか?
多くの人がいい物件ないかな?と考える
さて、現在 不動産価格は高いです。これは私の独断で言っているわけではなく、多くの人が感じでいる事でしょう。というわけで物件が高いという認識がまず不動産を購入する人の前提となります。重要なのはここからで、『高いけど買いたい』となると高い中でもコストパフォーマンスが高い物件・加工すれば化ける物件等がターゲットになります。このような物件は数年前ではもっと安く買えた可能性がありますが、そのような物件でなくても今よりは低価格で買えました。
しかし、昨今の不動産価格を鑑みるに、数年前では売れなかった物件、売れない値付けでも売れてしまうという事実があるわけです。
となると 高いけど買いたい人はなるべく市場の中から高いけどまぁ満足できる物件を買おうとなるわけで値付けさえ間違わなければある程度競合するのが現状だと言えます。(※値付けを間違っても勢いで売れてしまうケースも儘あります。)
というわけで上記の事をある程度俯瞰していればタイミングだとか縁だと言われていることもある程度はコントロールできます。
早いもの勝ちですよ!は自分で判断するしかない
不動産屋の中には『早いもの勝ちですよ』という人がいます。果たして本当でしょうか?
ある時は本当ですが、やはりある時は嘘です。というか、不動産屋自身 たいして相場がよくわかってない人もいますし、相場を嫌というほど知っている人であれば本心で言ってる可能性もあります。
という事で、『早いもの勝ち』だの『不動産はタイミング』だのという前に物件の相場と潜在的スペックを短時間で判断できるようになるほかありません。まれにまぐれでいい物件を仕込む人もいますが、今後不動産投資等やっている人は目が利かないとカモ要因にされるので注意しましょう。(かといって詳しすぎると仲介に嫌がられるのでいい塩梅で振舞いましょう。)
結局何故 縁だとかタイミングという話になるかといえば判断が競合した相手より遅いからです。
迷うくらいなら初めから自動化せよ
非業者・業者問わず とりあえず物件情報を仕入れてから判断する人が多いのですが、自分が欲しい物件の仕切りははっきりとした方が吉です。
まず、判断基準がはっきりしている事のメリットについてです。
- 判断が早い為仲介としては楽
- という実績が仲介担当者に刷り込まれるので物件情報を集めやすくなる
- いい情報が集まりやすいので物件の買い増し時に有利
などが挙げられます。
逆にデメリットとしては
- 判断を間違えてホイホイ買うと死ぬ
- 変な判断基準で買うと悟られると物件を押し込まれる
- それが原因でやはり死ぬ
という事になります。
ですので、ある程度固く、そしてあまり固すぎない判断基準を設ける事が非常に重要です。
基準ってなんですか?
まず、どんな基準を設ければいいかについてですがざっと下記の通りです。
- エリア(広すぎず・狭すぎず)・・・知らないエリアには手を出さない。どんな人が住んでいるエリアか想像できないなら止める。
- 予算(意外にもこの辺をあいまいにする人が多いのですが悪手です。はっきりしましょう)・・・買えもしない予算を設定しない。夢を見ない。
- 業者と競合しそうな物件は無視(融資特約なし・瑕疵担保免責全然大丈夫なら突っこみましょう。)
- 人の意見を聞いてから(しかし周りに詳しい人がいなければそのまま突っこみましょう。下手に素人に相談すると判断が鈍ります。)
というような自分なりの基準を設けたら後は突っこむのみです。
しかし買えないものは買えない
後は神のみぞ知る という事は避けられません。というか普通に買えないという事は往々にしてある事ですので最初に戻ります。これの繰り返しですが、ある程度基準を設けないと 『買えない』→『買えない』→『買えない』のループでいずれマーケットから退場となりますので買いたいけど買えないという人はやはりこの繰り返しを前提に判断基準を鋭敏にしアンテナを張りまくりましょう。
このような結論で肩透かしかもしれませんが、原因不明で買えないよりは買える精度をある程度コントロールできる部分であればコントロールした方がいいのでは?と最近よく感じます。よく買えないという事を言ってくる人はものすごい仕切りがブレブレな人が多いので書いてみました。
余談ですが、最近は買った方がいいですか?という問いには『買わなくてもいいんじゃないですかね』と答えています。少しでも参考になれば幸いです。